翻訳家の村井理子さんが、大木奈ハル子さんのエッセイ『小さく暮らす 25㎡のゆたかな生活』の書評を書いていた。大木奈さんは、住まいを85平米から50平米、30平米、25平米へと、少しずつ小さくしてきた方だそうだ。書評の中には、暮らしを「必要最低限ではなく、必要十分」に抑えている、という言い方があった。
(この記事は2026年10月時点で書いています)
25平米の部屋が、とても素敵だった
気になって、お部屋の写真を見てみた。
最初に思ったのは、広さのことではなかった。とてもセンスに溢れた、おしゃれなお家だな、ということだった。狭いからどう、ということより、素敵な生活をされているのが見ていて伝わってくる。そこに目が行った。
選び抜いた結果として、部屋が美しくなっている。そんなふうに見えた。
わたしの家も、物は少なめ。ただし理由が違う
実は、わたしの家も物は少なめだ。床には基本的に物を置かない。ゴミ箱は、キッチンに大きなものを一つだけ。
ただ、それは美学でも、こだわりでもない。掃除があまり好きではないからだ。物が増えると、そのぶん掃除の手間が増える。それが嫌で、増やさないようにしている。
以前テプラの記事で、細かくラベルを貼らないのは面倒だから、と書いた。ここでも、理由は同じだった。
色は、家に合わせて揃えただけだった
色も、いちおう揃えている。でもそれは、自分の好みというわけではない。中古で買ったこの家の雰囲気に合わせて揃えた、という感じだ。
こうして比べてみると、違いがはっきりする。大木奈さんの部屋は、好みで選んだ結果、物が少なくなっている。わたしの部屋は、手間を減らすために、物を少なくしている。どちらも物は少ないけれど、出発点が違う。
写真を見て「センスに溢れている」と感じたのは、そこに住む人の好みが見えたからなのかもしれない。
あんなふうにカラフルにはできない。だから一色だけ
大木奈さんの部屋はカラフルなのに、統一感がある。とてもおしゃれで、羨ましい。
でも、たくさんの色をバランスよく並べるような、高度なテクニックはわたしにはない。だから、もし家の雰囲気に合わせなくてよかったら、好きな色を一つテーマに決めて、アクセントカラーで部屋に活気を出したいと思う。
憧れをそのまま真似するのではなく、自分にできる大きさにする。そのくらいがちょうどいい気がする。
一番好きなのは黄色。でも部屋には緑
一番好きな色は、黄色だ。でも部屋に置くなら、落ち着いたグリーンがいいかなと思う。好きな色と、部屋に置きたい色は、少し違う。
置きたいのは、おしゃれな形の、素敵な緑色の家電。あるいは、緑のソファにして、そこに目が行くようにするのもいい。
これなら、飾り物を足すわけではない。どうせ必要なものを、好きな色にするだけだ。物も、掃除の手間も増えない。わたしなりの「必要十分」は、たぶんこのあたりにある。
まだ使えるから、今は買い替えない
では、なぜ今それをしていないのか。
ソファは、使いやすい形を基準にして選んだ。家電は、引っ越すときに必要で揃えたので、選ぶ時間があまりなかった。そして、どれもまだ使える。
だから、今は買い替えない。買い替えのタイミングが来たら、そのときに気に入ったデザインのものを探したいと思っている。好みのものが欲しくても、使えるものを手放してまでは買わない。物を増やさないのと、根っこは同じだと思う。
家族の場所だから、目立ちすぎるものは選べない
ただ、もうひとつ考えることがある。家は、家族の場所だ。
わたしが好きでも、目立ちすぎるものは選べないと思う。部屋の雰囲気は、わたしひとりの好みでは決まらない。
書評を書いた村井さんも、家の荷物の処分に何年も悩んでいたそうだ。大木奈さんの部屋は、ご夫婦二人の部屋だという。好みを分け合える人数だからこそ、あの部屋が成り立っている面もあるのかもしれない。
まとめ|気に入ったものを、一つだけ
大木奈さんのようなセンスは、わたしにはない。部屋のことを、自分ひとりで決めることもできない。
それでも、気に入ったものを一つ置くだけで、暮らしは少し豊かになりそうだと思った。部屋全体を変えなくていい。一つでいい。
今すぐでなくてもいい。これから、本当に気に入ったものに出会ったら、手に入れて置いてみてもいいな、と思っている。わたしも含めて、そのくらいの気持ちで、部屋を眺めてみるのもいいのかもしれない。

