カプセルトイの入荷や販売を止める店が、地元の滋賀で相次いでいる、というニュースを見た。
大津市の専門店は9月9日に「本日の商品の入荷・販売はございません」とXで発表し、店の前での長時間の待機などが理由に挙げられていた。この店は翌日から通常の営業に戻したそうだ。続いて9月13日には、甲賀市の店舗が、人気のシリーズについて「安全面を考慮した結果、当面の間」販売を停止すると告知した。運営会社の広報は、混雑緩和のためと説明している。
(この記事は2026年9月時点で書いています。状況は変わっているかもしれません)
ニュースを読む前から、わたしは、似た光景を見ていた。
平日の昼間に、大人が並んでいた
わたしはカプセルトイが好きで、よく見に行く。ニュースになった店ではないけれど、別の店舗の周りで、平日でも待機している人の行列を何度か見かけた。
そのときは、これ以上人が増えたら、普通に買い物に来たお客さんの邪魔になりそうだな、と思っていた。だから、ニュースを読んで驚いたというより、予想していたことが起きた、という感じに近かった。
「仕事は?」と思ってしまった
正直に書くと、行列を見て最初に浮かんだのは「仕事は?」だった。働いている人が多い時間帯に、あんなにたくさんの大人が待機している光景が、少し異様に見えたからだ。
ただ、わたし自身、今は育休中なので、平日にショッピングセンターに行くことができる。人のことを言える立場ではない、というのは、先に認めておく。
並んでいた人の理由は人それぞれで、外からは分からない。ただ、後から、転売を目的にした人もいたのかもしれない、とも思った。
わたしは並ばない。決めて行かないから
わたしは、並ぶことがほとんどない。過去に並んだことがあるのは食べ物で、行列があっても回転が速いお店だけだ。待ち時間が読めるものには並べるけれど、入荷を待つ行列は、終わりが見えない。
そもそも、カプセルトイをしに行くときに「あれを回したい」と決めて行くことは、あまりない。行って、見て、欲しいものがあったら回す。いつもそういう流れだ。
だから、わたしは「手に入らない」という状況にならずに済んでいた。欲しいものが決まっていないので、なかったら別のものを見る、で終わる。
偶然の遊びが、計画の対象になった
カプセルトイは、何が出てくるか分からないものを、その場の気分で回す遊びだったと思っている。
それが今は、目当てを決めて、入荷の時間を調べて、平日から並ぶものになっている店がある。遊びの性質が、少し変わってしまったのかもしれない。
オンラインなら、条件をつけて売り続けられた
同じ買い占めの問題でも、オンラインの店と実店舗では、取れる手が違うと思う。
オンラインの店は、購入の条件をつけて売り続けることができる。画面の向こうで誰かが待っていても、物理的に危ない人は出ない。
でも実店舗は、人が集まること自体がリスクになる。店の前に人が集まって、周りのお客さんや、通りかかる人の安全にも関わってくる。
それが、売れば売るほど大きくなるなら、条件をつけて売り続ける、という選択肢は、そもそも取りにくい。実際の場所という「体」があるかどうかで、取れる手が変わるのだと思う。
守るための仕事は、儲けにならない
抽選にする。整理券を配る。人数を制限する。対策はいろいろ考えられるけれど、どれも人手がいる。
そして、その人件費は売上を増やさない。売れる数が増えるわけではなく、守るための仕事は、店にとっては儲けにならない。売り上げが上がらない行動のために、雇用を増やすのは、難しい店もあると思う。
だから、対策を続けるのは難しいのだろう、という店の事情は、わたしにも想像がつく。店を責める気持ちには、あまりならなかった。
イタチごっこに入る前に、という考え方
もうひとつ思ったのは、ルールを作れば、その裏をつく人が出てくるだろう、ということだ。
抽選にすれば抽選の抜け道を探す人が出て、整理券を配れば整理券の抜け道を探す人が出る。対策と回避の応酬が始まる。最近は、お客さんの側のマナーが悪くなっている場面を目にすることが増えたように、わたしは感じているので、なおさらそう思う。
店の本当の理由は、わたしには分からない。ただ、そのイタチごっこが始まる前に、売るのを止めるのは、店にとっては、いい判断だと、わたしは思う。
大津の店は、翌日から通常に戻したそうだ。ただ、今後もお客さんの対応が良くならなければ、また中止することがある、と警告している。止めるという手は、実際に使うだけでなく、いつでも使えると伝えておく、という形でも使われているのだと思う。
ただ、純粋に欲しかったお客さんにとっては、残念なことだ。そこは、片方だけの話にはしたくない。
祇園祭のちまきも、買えなかった
これはカプセルトイだけの話ではない、と思ったことがある。
わたしは毎年、祇園祭にちまきを買いに行っている。ところが、長刀鉾のような人気の鉾のちまきは、午前中に行っても買えなかった。そして、そのちまきは、ネットで多くの人が出品していると聞いた。比較的早い時間に行っても買えないのは、とても残念だった。
転売品は、絶対に買わない。厄除けのちまきなので、金儲けのために買う行為は、神様に対して失礼だと、わたしは思うからだ。そういう人が扱ったちまきに、効果があるとも思えない。あくまで、わたしがそう思う、という話だ。
ただ、強く拒否しているわりに、切り替えはあっさりしている。長刀鉾のちまきでなければ、というこだわりはなかったので、その日は他の鉾のちまきを買って帰った。それで十分だった。
まとめ|方法を考えたい
店が売るのを止めたことを、わたしは仕方ないと思っている。実店舗では、お客さんや、その周りの人の安全を守る必要があるからだ。
ただ、止めるか、警告するか、で終わりにはしたくない。
わたしの遊び方は、決めて行かない、というものだった。だから、たまたま、この問題に巻き込まれにくい形だったのだと思う。でも、どうしても欲しいものがあって、並ぶしかない人もいる。その気持ちは、分かる。
お店にもお客さんにも負担がなく、平等に購入できる方法を、考え出したい。答えは、まだ出ていない。それでも、止めるか止めないか、という話で閉じてしまわずに、考え続けたいと思う。

