旅先で必ず買うものを決めている、という話を耳にした。
そう言われて、自分もそうだったな、と思い出した。
(この記事は2026年9月時点で書いています)
旅先で同じものを買い続ける人がいる
以前、旅行に行ったときのこと。同じツアーに、スノードームを集めている方がいた。行く先々で買っていて、家にはずいぶんな数があるようだった。
スノードームに限らず、同じことをしている人はけっこういる。ステッカー、現地の文房具、スーパーマーケットのエコバッグ。同じ種類のものを、違う土地で買って集めていく。そこに魅力を感じる人がいる。
わたし自身は、嵩張るものが苦手なのでスノードームは選ばないと思う。でも、あれはとても可愛いと思う。並んでいるのを見るのは好きだ。自分が持つかどうかとは、また別の話として。
昔は、壁にペナントが貼ってあった
これを考えていて思い出したのが、ペナントだった。
子どもの頃、親戚の家や友達の家で見たことがある。細長い三角形の旗が、壁にずらりと並んでいるあれだ。おじいさんが集めていたのだと思う。
見たときの気持ちを、今でも覚えている。こんなにたくさんの場所に行ったんだ、と思った。素直に羨ましかった。
行った場所の数が、そのまま壁に見えていた。あれは、なかなかすごい仕組みだったと思う。
ちなみにペナントは、たいてい国内の観光地のものだった。遠くまで行かないと集まらない、というものでもないらしい。
わたしの場合は、冷蔵庫のマグネット
自分の話をすると、わたしが集めているのはマグネットだ。
きっかけは、友人が集めていたのを見たことだった。それで真似して買うようになった。
理由ははっきりしていて、冷蔵庫に貼れるからだ。貼ってあれば目に入る。目に入れば、そのときのことを思い出す。
もうひとつ、そんなに旅行に行くほうではないので、冷蔵庫が埋まるほどは集まらないだろう、という見込みもあった。実際、今のところまだ余裕がある。
しまった時点で、記録ではなくなる
もし同じものを、箱に入れてしまっていたらどうだっただろう、と考えてみた。
残したいとすら思わなくなると思う。
見えない場所にあるものは、思い出すきっかけにならない。しまった時点で、それはもう記録として機能しなくなる。中身は同じでも、役割が消えてしまう。
そう考えると、決定的だったのは、可愛いかどうかでも、思い出深いかどうかでもなく、目に入る場所に置けるかどうかだったのだと思う。
これは、マグネットに限らないと思う。玄関に並べた小さな置物でも、机に貼ったステッカーでも、台所で使っている道具でも、見えていれば同じことが起きる。
そして見えていると、思い出すのは自分だけではなくなる。うちでは、家族が新しいマグネットに気づいて話が始まることがある。「これどこの?」から、旅行のときの話になる。引き出しにしまっていたら、絶対に起きない。
増えすぎないから、続けられる
こういう集め方には、もうひとつ良いところがある。増え方に上限がつくことだ。
前に行った場所のものは買わない。1つの土地に1つ、と自然に決まる。だから、行った場所の数以上には増えようがない。
冷蔵庫が埋まったらどうするか、とも考えたけれど、そのときは他に貼れる場所を探すか、部屋のどこかに場所を作ると思う。捨てることは、たぶん考えない。それ以上どこまでも増えていくわけではないと分かっているから、終わりが見えているぶん、一箇所くらい場所を作ってもいいと思える。
数がそのまま、行った場所の数になっている。コレクションというより、記録に近いのだと思う。
買わないものも、決まっている
買うものが決まっていると、買わないものも決まってくる。
数年前にトルコへ行ったとき、素敵な絨毯のお店に入った。本当にきれいで、しばらく見ていた。
でも買わなかった。嵩張るし、家で使う場面が思い浮かばなかったからだ。
そして、後悔はしていない。買わずに後悔したことは、今のところ一度もない。迷ったことはある。マグネットのデザインやサイズで悩むことはよくある。でも、買わなかったことを引きずったことはない。
買うものと買わないものの線が引けていると、旅先であまり迷わなくて済む。これは思っていたより快適なことだった。
まとめ|ひとつ決めておくといい
ここまで自分の話をしてきたけれど、マグネットをおすすめしたいわけではない。
自分に合うものをひとつ決めておくといい、という話だ。ステッカーでも、スノードームでも、現地の文房具でも、スーパーのエコバッグでもいい。人によってまったく違っていいと思う。
選ぶときの目安を3つ挙げるとしたら、こうなる。
1. 見える場所に置けるもの。しまうと、思い出すきっかけにならない
2. 1つの土地に1つ、と決められるもの。増え方に上限がつく
3. 自分の空間を圧迫しないサイズ。嵩張るものが苦手なら、そこで選ぶ
国内でも海外でも、近場でも遠出でも、同じように使える考え方だと思う。
昔の家に飾ってあったペナントのように、行った場所が見えるところにある家は、やっぱりいいものだと思う。

